11/11/23 子犬や子猫に「牛乳」の補給は必要か?
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飼い主さんのなかには「ペットフードだけでは十分な栄養が確保できないのではないだろうか?」とか「カルシウムをしっかり与えて丈夫な子に育てたい」」などの思いから、犬や猫に牛乳を与えている人が結構います。 しかしながら、例えば成長期用のドッグフード(サイエンスダイエットのパピー)を生後8ヶ月の体重5kgの子犬に適正量(150g)与えた際に補給されるカルシウムは2.4gであるのに対し、牛乳は100ml与えたとしても0.1g程度のカルシウムしか補給されません。総合栄養食であるペットフードの栄養基準ではカルシウムの最低必要量が設定されていますので、これらを適正量与えている限りカルシウム不足ということは考えられません。
また、母乳の栄養価は動物の種類でそれぞれ異なり、新生児の成長速度と相関があることが知られています。犬や猫はその新生児の速い成長速度を支えるために非常に栄養価の高い母乳を産生する必要があります。そのため一般的な牛乳は子犬や子猫にとって栄養価が低すぎ、代用乳としては不向きです。つまり、「栄養補給」のために子犬や子猫に牛乳を与える意味はあまり無いことになります。
11/08/18 「ミニブタ」が治療にやってきました。
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愛玩動物として「ミニブタ」が静かなブームとなっているそうですが、実際に治療に当たることになるとは思っていませんでした。オシッコがチビチビとしか出ず、食欲も低下しているとのことで問い合わせがありました。以前に養豚場の衛生管理をしていたこともあり、小さい豚なら何とかなるだろうと引き受けることにしました。
小さな可愛いブタちゃんが来ると思っていたら、なんと98kg、養豚場では出荷間近の立派なブタちゃんがやってきました。早速「超音波検査」で膀胱を見てみると、「結石」がジャラジャラといっぱいに詰まっています。病気の原因はこれでした。飼い主と相談の上、開腹手術となりました。膀胱内からは直径2cmくらいの結石がたくさん出てきました。ブタの開腹手術は初めてでしたので、大変手間取りましたが何とか無事に終えることが出来ました。飼い主さんともども「やれやれ」といったところです。
ところで、このブタちゃん食事は結石予防用の餌を食べていたようですが、それでもこんな事になるのですね。飼料会社も成分の検討が必要かなと思います。
11/01/22 「愛犬のかみ癖がなおらずに困っています。」
(地域情報紙に掲載されている、院長執筆「ペットに関する質問コーナー」の再掲です。)
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愛犬をいい子にするためには、犬のことをよくしってあげることと、豊かな愛情をいっぱい注いであげることです。「飼い主をかむ」のは、中途半端なしつけをしたり、犬を理解することなく思い込みだけで可愛がっている家の犬です。訳のわからないまま激しくしかられたり、教わってもいないことでできないからといって大きな声で脅かされたり、物をぶつけられたりして、飼い主との信頼関係が崩れたとき「飼い主を噛む」という行動につながっていくようです。小さい頃から叱られたり叩かれることなく愛情いっぱいに育てられ、人に対して恐怖心や警戒心を持たない犬は、、人の手を怖がって噛むようなことは決してあり得ないのです。
飼い主を噛むようになっている場合、優しくするだけではわがままを助長させるだけで何の解決にもなりません。飼い主の強い意志で対決することが大切です。噛もうとしたら下あご方向から口を閉じるようにして、強い口調で「だめ!」と叱ります最初は抵抗しますが、抵抗がおさまったら優しくほめてあげます。しばらくこれを繰り返すことで、犬は「噛むこと」がいけないことを理解します。飼い主にとって最も大切なことは、「愛犬と楽しく暮らしたい」という強い意志をもって犬と接することです。
11/01/10 「飼っている猫が、突然足首に噛みついたり爪を立てたりし ます。またどこでもおしっこをして困っています。」
(地域情報紙に掲載されている、院長執筆「ペットに関する質問コーナー」の再掲です。)
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猫は小さな犬ではない。これは獣医師の間でよく使われることばです。猫の行動の改善にはまず猫の行動特性を理解することが大切です。猫は犬よりも捕食行動(獲物を捕らえて食べる)に対する衝動が強いと言うことが問題解決の糸口です。その衝動が適切に発散されないとストレスとなり、身近な人への攻撃行動や不適切な排泄などの原因となります。遊んでやったりおもちゃを与えるなど、この衝動を発散させることが問題行動の解決につながることが多いようです。
猫は高いところに隠れ、自分の寝るところや排泄する場所を眺めていると安心できるようですので、適当な高台を用意することも効果的です。空の牛乳パックなどに穴を開け、中にフードを入れておいて手で動かすと出てくるようにしておくと、一人遊びに集中してストレスの発散ができます。
トイレは体長の1.5倍くらいのものを好み、食事の場所から離れていることが必要です。砂は掘り返す感触がある適当な重さと粒子の細かいものを好みます。また、雄猫のマーキングについては、去勢手術が効果的です。
11/01/09 「愛犬が生まれつきものすごく臆病な性格ですが・・・」
(地域情報紙に掲載されている、院長執筆「ペットに関する質問コーナー」の再掲です。)
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生後3ヶ月までが犬の社会化の時期です。社会化するというのは、知らない人や場所、他の犬などに慣れることができるということです。社会化がうまくいけば臆病にならずいつも安定した精神状態でいることができるので、恐怖心で吠えたり、噛みついたりすることもなくなります。早い時期から外に連れ出して、いろんな物音、臭い、人や他の動物との出会い、ふれあいを経験することで、落ち着いたよい子に育つでしょう。そうなると飼い主との関係もうまくいき、しつけもスムーズにできるようになります。
ただ、他の動物とふれ合うにはワクチンを接種しておくことが病気の予防や飼い主のマナーとしても必要です。まずはお近くの動物病院で相談されるのが良いでしょう。 「たがわ動物クリニック」では3〜5ヶ月までの子犬を対象に「ふれあい教室」を開いております。詳しくは当院にお問い合わせください。
10/07/31 愛犬の「熱中症」対策について
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異常に暑い日がつづいていますが、あなたの犬が口を大きく開けてハアハアと苦しそうな呼吸をしていたり、よだれを大量に流していたら、これは犬の熱中症(熱射病、日射病)の典型的な症状です。放っておくととても危険な状態です。すぐに冷水をかけて体を冷やした後、はやめに病院につれてきてください。
犬の熱中症は、蒸し暑い室内や、車内での留守番、暑い中での散歩などが原因で発症します。急激な体温の上昇により、あえぎ呼吸(パンテイング)、よだれといった症状が現れ、ひどくなると呼吸困難や吐血、血便等を起こし、いのちに関わることもあります。犬は、肉球と鼻梁以外はほとんど汗をかきませんから、体温調節が難しく、熱中症になりやすいのです。
愛犬に熱中症のような症状が見られる場合は、次のような応急処置を行ってください。
涼しい場所に移動させ水をたっぷりのませて水分補給をしながら、冷水で濡らしたタオルを頭や脇の下、内股のつけねにあてたり、風呂場や流し台で体全体に冷水をかけるなどして急いで体温をさげます。下げすぎても血管収縮が起こり熱が籠もりやすくなるので、パンテイングが治まってきたら冷やすのをやめて、速やかに動物病院に連れて行き、診察を受けることをお勧めします。(見た目は平常に戻っていても、体内の循環器や臓器がダメージを受けている可能性があります。)愛犬の熱中症対策について、常に心がけてください。
10/05/10 ガン治療における栄養学の重要性
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先日(2010/4/26〜27)、東京で開催された「腫瘍学」(講師:小林哲也先生/日本小動物医療センター付属日本小動物ガンセンター長)のセミナーで「ガン治療における栄養学の重要性」という興味深いテーマがありましたのでその概要を私の感想もまじえてお伝えします。
ガン患者の治療というと外科療法や化学療法などに目を向けてしまいがちですが、ガン治療の初期段階から栄養管理の重要性をしっかり認識することは非常に大切です。その結果、患者が“飢え”から解放されるだけでなく、様々なガン治療の副作用も軽減され、生活の質(QOL)が格段に向上します。最愛の動物が“ガン”という大病に冒されてしまうと、飼い主の不安や緊張が高まることはどうしても避けられません。その際、動物の食欲や体重を安定させることで、同時に飼い主の精神的な安定も得られることが多く、飼い主と動物の双方を癒すことになります。つまり、「ヒューマン・アニマル・ボンド」の観点からもガン患者の栄養管理は重要な項目といえます。
ガン細胞は炭水化物(ブドウ糖など)を好んでエネルギー源として増殖し、乳酸がたくさん作られます。これは宿主(動物)にとっては“良くない廃棄物”なのでブドウ糖に変えられます。このときエネルギーがたくさん消費され、宿主の体は消耗し痩せていきます。
また、ガン細胞はタンパク質、つまりアミノ酸も栄養源として必要ですが、アミノ酸のなかにはガン細胞が増えるのを助けるアミノ酸と、増殖を抑えるアミノ酸(グリシン、アルギニン、グルタミンなど)があることが知られています。またガン細胞と宿主はアミノ酸を競合的に奪い合うので、良質な生体利用性の高いタンパク質を過不足なく供給することが重要です。
脂肪は宿主のエネルギー源としても機能しますが、ある種のガン細胞は脂肪をエネルギー源とすることが不得意です。また、オメガ3脂肪酸とくにエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサシン酸(DHA)は抗ガン効果があります。一方、オメガ6脂肪酸(リノール酸、ガンマリノレイン酸など)はガン細胞の成長及び転移を促進する可能性が知られています。
ガンに罹患したペットの飼い主さんにとって留意すべきことは、低糖質で中程度のタンパク質、オメガ3脂肪酸のたくさん入った餌を与えることだといえます。具体的には個別の症例にもよりますので、獣医師にご相談ください。
さて、ガン患者は食欲が低下していますので、食べさせる工夫も必要です。獣医師側は脱水改善、疼痛緩和、水溶性ビタミンの補給、低カリウム血症の補正など食欲低下を引き起こす要因を徹底的に排除する処置を行います。飼い主さんは電子レンジなどで食事を人肌程度に温めたり、動物の口元まで食事を運んだりすることで食べ始めることがありますので、ぜひやってみてください。また、病院では食欲刺激剤の使用やカテーテル(胃食道カテーテル、胃カテーテル、食道カテーテルなど)による栄養供給で飼い主と動物が互いにストレスを感じることなく体力維持を図る方法もとれます。
ガンに罹患してもいろんなやり方で最後まで「丸い顔」をして寿命を全うできるよう、私たち病院スタッフと一緒に頑張りましょう。
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